その前夜

いよいよ、もう1つ寝たら引越しです。
住み慣れた我が家は「訪ねるべき場所」へと変わり、もはや「帰るべき場所」ではなくなります。


以前住んでいた団地からこの家に引っ越してきたのは、大学1年生のとき。
大学生として初めての授業を受けたその日のことでした。
大学から帰って、団地のカギを開けたら…。
そこはもぬけの殻でした。
一瞬自分の身の上に何が起こったのか判断できませんでしたよ。「…夜逃げ?」とか思っちゃいましたもん。よくよくうちの家族も人が悪い。今日引越しなら引越しと一言ぐらい事前に言っといてくれてもよさげなものです。


いろんなことありました。
ベランダから今は亡き愛犬と道を行き交う人をぼんやり眺めたり。
庭に乱入してきた隣のネコと遊んだり。
自分でカギを開けられないほど酩酊して帰宅したり。
TV番組の後取材のために大慌てで部屋の掃除したり。


これからも荷物を取りにちょこちょこ戻るとはいえ、「ここで暮らす」のは今夜で最後になるわけです。
そう考えると、さすがの私も妙にしんみりとしてきてしまいました。
明日からは、うちのもう1匹のイヌにも、隣のヤギそっくりのイヌにも、なぜかうちの玄関をねぐらにしている隣のネコたちにもそうそうは会えなくなってしまうわけです。そう考えると寂しくなってきます。


まあ。
とはいえ。
それ以上に。
明日から始まる新生活を楽しみに思う気持ちのほうが遥かに勝っているのは間違いないんですけどね。


それでも。
ちょっぴりおセンチになってしまった寒い夜なのでした。


そして引越しの準備は全く進んでいない。まあ…出たとこ勝負かな。人気blogランキング