『新選組!』沖田&斎藤追記

昨日のエントリで斎藤の「いつ頃死ぬんだ?」発言をオチに使ったのですが…。


実は、このときの2人のやり取りも、ホントはすごく胸を突く、感動的なものだったのですよ。
以下再現。

沖田「来てくれて嬉しいです」
斎藤「いつ頃死ぬんだ?」
沖田「…夏の終わりぐらいかなあ」

…実際に沖田総司が没したのは、明治元年*1(1868年)5月30日のこと。
太陽暦に換算すると、7月19日です。
「夏の終わり」を待つことなく、彼は逝ってしまうわけですが…。

斎藤「おまえはいいな」
沖田「…何がですか?」
斎藤「おまえは戦に出たことがないから分からないだろうが…もう刀の時代じゃないんだ」
沖田「…土方さんも言ってました」
斎藤「人を斬るしか能のないヤツは、これからどうやって生きてく? 今は薩長相手に戦っていればいい。だがもし生き延びて…」

…「剣士斎藤一」の苦悩です。
この思いは、斎藤だけでなく、鳥羽伏見の戦いで現実に直面させられた剣士誰もが抱いたものみたいですが。

沖田「近頃思うんです。この200年ずっと戦がなくて、いよいよ世の中が不穏になってきたら、刀の時代は終わっちゃった。そのほんの短い間に私はこの世に生まれて、近藤さんたちと出逢って、京で新選組として働けた。なんて自分は運がいいんだろうって」
斎藤「それを言うなら俺はもっとツイてる。もしも近藤さんに出逢わず、薩長の側についていたら、京の町でおまえと戦っていたかもしれない。
…俺は間違いなく負けてたよ」

…一流の剣士として互いを認め合う沖田と斎藤のやり取り。
胸が熱くなりました。


微笑し、肩を叩きながら

斎藤「涼しくなる前にまた来る」

との言葉を残して後にした斎藤ですが…。
果たすことはできませんでした。


このシーンを撮影するに当たって、三谷幸喜から藤原竜也オダギリジョーの2人に「2人の感情というか、思いというか、それを大切にして、1つ1つを丁寧に演じてほしい」と特に注文があったらしいのですが。
申し分のない演技でした。
沖田に微笑むときのオダギリジョーの表情。
斎藤の言葉を喜ぶ藤原竜也の表情。
どちらも最高だったと思います。


★★さてさて、2次会の作業はどうした自分。人気blogランキング★★

*1:「慶応4年」が「明治元年」に改元されたのは、実際には9月8日のことです。総司が没したときの元号は、正しくは「慶応4年」になります。ただ、明治以降を除いて、便宜上「元号改元後のものに統一する」のが普通なようですので、あえて「明治元年」を使用して注記を付すに留めました。