1年の終わり、そして別れ…

中日の先発投手が川上憲伸投手ではなく山井大介投手だと聞いたときには「…落合は地元での胴上げを捨てたのか? それとも山井で大丈夫と思うくらい日本ハム打線をナメているのか?」と思ったのですが。
…こちらが山井投手のことをナメていた、と詫びなくてはならない結果になってしまいました。


打者27人。
誰1人、出塁することなし。
山井−岩瀬のリレーの前に、パーフェクトに抑えられて。
北海道日本ハムファイターズの2007年は終了を迎えました。


最後の最後に。
シーズンを通しての最大の課題が、1番最悪の形で、もろくほころびを見せた形になりました。
打てない打線。
つながらない打線。


結局。
この課題は、1年間店晒しにされたままの状態だったのでしょう。
シーズン制覇、そしてクライマックスシリーズの勝利で、本質的な課題を置いてきぼりにしたままで、どこか「勢いに乗れば、うちは勝てる!」と(自分も含めて)浮かれていた部分があったのかもしれません。


日本ハム
確かに「勢いに乗るとトコトン強い」チームです。
が、それは逆に、司馬遼太郎の言葉を借りると「勢いに乗っているときはよいが、頽勢に弱い」ということにほかなりません。
その「頽勢」を最悪の形で迎えてしまったのが、この日本シリーズだったということなのでしょう。


中日ドラゴンズ
素晴らしいチームでした。
まず投手が皆よい状態でした。そして、荒木雅博井端弘和両選手の華麗な守備・走塁。今日もヒットになりそうな当たりをいくつも仕留められました。本当に脱帽です。
昨年日本ハムが「してやった」ことを、今年は逆に「してやられた」形になりました。悔しいですが、ここは「相手のほうが上手だった」として、心から讃えたいと思います。


シリーズを敗退したことによって。
1年が終わることになりました。
そして…ヒルマン監督とは、これが最後のゲームとなってしまいました。
本当に感謝しています。どんな言葉を並べていいか分からないぐらい。
大沢啓二監督が宙に舞ったとき、子供だった自分は嬉し涙にくれて喜びました。あれから実に25年の間絶えて久しかった「優勝の美酒」を味わわせてくれたこと、そして、未知の領域だった「日本一の味」を教えてくれたこと、そのことは一生忘れられないと思います。ロイヤルズでの健闘を期待しています。


そしてもう1人。
叶うことならば、今日の試合、最後の打席に立つあなたの姿を見たかった。あなたの東京ドーム最後の試合を見ることができたのは、自分の誇りです。22年間本当にありがとう、田中幸雄選手。


ナゴヤドームで中日の日本一を見届けて歓喜の涙を流したという友人のおクイズさんによると。
日本ハムの面々は、セレモニー終了後、中日の選手たちのところに駆け寄り、祝福の握手をかわしていたそうです。
そう、クライマックスシリーズ第5戦終了後に、ロッテの選手たちがそうしてくれたように。


…それだけが最後の気がかりでした。
その知らせを聞いて、本当に安心して、そして嬉しくなりました。
これだから、スポーツは素晴らしい。これだから、僕たちはますます野球が好きになれる。
だからこそ真剣に応援するし、だからこそ勝っても負けても涙が出るんでしょうね。


★★2008年の「新生ファイターズ」に期待しています。人気blogランキング★★