「正義の味方」なのに…

かつてプロレスよく見ていました。いわゆる「昭和のプロレス」と呼ばれる、いい意味でも、悪い意味でもプロレスが「曖昧さ」を含んでいた頃に、ヘヴィーなファンをやっていました。近所の青果市場にやってきた興行を見に行ったりなんかして。
そんななかでも、メキシコのいわゆる「ルチャ・リブレ*1と呼ばれるプロレスが大好きでした。神秘的な覆面を身に付けたレスラーたちがおりなす華麗な空中殺法の数々、実に魅力的でした。
いろんなレスラーがいてそれぞれに思い出深いんですが、そのなかであえて1人挙げるとするならば、その名もずばり「ウルトラマン」。なんでもこっちの本家特撮番組がメキシコに輸出されて放送されたのを見てヒント得て覆面作っちゃったらしいですから。なんともはや。
なりは↓こんなですが、なかなかのテクニシャンでした。2度来日し、2度目の来日時には初代タイガーマスク*2と名勝負を展開したのも記憶に残っています。


そのウルトラマンですが。
1987年9月4日。
「覆面を賭けて戦い、敗れると覆面を剥がされる」という「マスカラ・コントラ・マスカラ」という試合形式でブラソ=デ=オロという選手と戦い。
敗れて覆面を剥がされてしまいました。
「正義の味方」のあっけない終焉でした。


メキシコにおいては、覆面レスラーが覆面を賭けて戦い敗れると、その場で本名・経歴が朗読され、2度と覆面をかぶることは許されません。「素顔で戦い続ける」か、「別の覆面レスラーとして1から出直す」かの2択を迫られることになります。
ウルトラマンの本名は「ベンチュラ=チャベス=ペレス」。その後の彼がどうなったかは、自分は知りません。ご存知の方、いらっしゃいましたらご教示いだだければ幸いです。


ちなみに、「ウルトラセブン」という覆面レスラーもかつて存在しましたが、彼の正体は日本人の高杉正彦です。隣町の平塚市出身のレスラーでしたが、私の小・中学校の同級生の証言によると、平塚市にプロレスが来た際「郷土が生んだ英雄ウルトラセブン頑張れ」という横断幕が会場に飾られていたそうです。アンタ、「正体不明のマスクマン」じゃなかったんかいな…。


しかもWCで隣り合わせたときに「うー寒いなあ…」と独り言漏らしていたらしい。覆面つけたままで。人気blogランキング

*1:スペイン語で「自由への戦い」という意味。メキシコの原住民を表す善玉の「リンピオ」と、スペインの征服者を表す悪玉の「ルード」が戦う、というスタイルを採り、レスラーの半数以上は覆面レスラー。

*2:正体は佐山サトル