暴れん坊にもほどが…

昨日はBimyoさんの「微妙の舞日記」の「だって、女の子だもん 」というエントリ(http://d.hatena.ne.jp/Bimyo/20051221/1135177873)の「ここから妄想」に爆笑しました。なるほど、室町時代の女官たちも「突然の来客」には苦慮したのですなあ…と。
ところで、Bimyoさんのエントリを読んで、激しく思い出した日本史ネタがあります。『古事記』に登場する日本武尊*1のエピソードです。


日本武尊は、東国遠征の際に、尾張国の豪族の娘である美夜受比売*2と結婚の約束をします。しかし、尊はすぐ姫にガッついたわけではなく、「東国遠征が終わって帰ってきたら結婚しよう」と約束して、本来の目的である東国遠征を優先させました。
果たして、目的を達成し、様々な紆余曲折の末に尊は尾張に戻ってきました。「これで姫とハァハァできる」とおそらく思ったことでしょう。尊の様子が偲ばれます。


ところが! ここで一大事件勃発!
ようやっとの思いで姫のもとに辿り着き、いざ結婚だ!と思ったら…この姫さん、ちょうど「始まっちゃてた」ところだったのです。『古事記』本文には「爾(ここ)に美夜受比売、其の襲(おすひ)の襴(すそ)に月経(つきのさはり)著きたり」とズバリ載っかってます。尊はさぞや落胆したでしょう。やっとの思いで戻ってきて、ようやっと姫と決めてやる今夜((C)沢田研二)と思っていたらコレですから。


で、尊はおとなしく枕を抱えて寝たのかといいますと。
さにあらず。
古事記』本文には、尊と姫が贈答歌を交わした後、「故(かれ)、爾(ここ)に御合いしまして」という1節があります。つまり…そのー、尊、強行しちゃったんですね。生理中にもかかわらず。ヤッちゃったんですよ。いくらずーっとガマンしていたからといって、これはいかがなものかと…。


尊は嬉しさで舞い上がっていたせいなのか、それまで自分を守ってくれた草薙剣を姫のもとに置いていってしまうというポカを演じてしまい、そのゆえにか、道中で命を落としてしまうことになります。ちなみに、このとき姫のもとに草薙剣が置いていかれたのが縁で、現在熱田神宮に剣が伝わっているのだといわれています。


いや、デリケートな時期の女の子は大切に扱いなさいなって。人気blogランキング

*1:古事記』では「倭建命」という表記が使われていますが、便宜上ポピュラーな「日本武尊」で統一したいと思います。

*2:こちらは『古事記』の表記です。『日本書紀』では「宮簀媛」という表記が使われています。