つまらない蛇足になってしまうかもしれませんが…

昨日のエントリでネタにした「三日ころり」の意味がよくが分からないとの指摘を受けましたので。
改めてこちらでご説明をば。


「三日ころり」とは、江戸時代に流行したコレラのことを指す言葉です。
「罹ると3日でころりと逝く」ということからの命名です。
「ころり」には「虎狼狸」という字を当てることもあったようです。


もともとインド・ガンジス川流域の風土病だったコレラは、1817年に初めての世界的流行を見ます。
インドから東南アジア、中国を経て、文政5年(1822年)には遂に日本初上陸を果たしました。


国内最悪の歴史的大流行となったのは、安政5年(1858年)。
俗に「安政ころり」といわれています。


この大流行、なんと長崎に来航したアメリカ艦ミシシッピ号により日本国内にコレラ菌がもたらされたのが原因だそうです。
被害は九州、四国から大坂、京都、江戸、さらに遠く箱館にまで及びました。
このときの死者は、江戸だけで、10万人とも、26万人とも言われています。浮世絵師の安藤(歌川)広重、戯作者の山東京山*1などの著名人もこのときのコレラの流行で命を落としています。


江戸時代のコレラ流行については、HP「くすりの博物館」にある「人と薬のあゆみ−コレラ」に興味深い内容がたくさんありますので(http://www.eisai.co.jp/museum/history/b1500/0300.html)、そちらもぜひ。


しかし、そんなんをイヌの名前につけようとは妻よ(笑)。人気blogランキング

*1:洒落本『通言総籬(つうげんそうまがき)』で有名な山東京伝の弟。