この頃になると思い出す。

今を去ること×年前、大学4年生だった時分、私も人並みの教育学部生同様に「教育実習」なるものを出身高校で行いました。以下、そのときの回想話をば。


毎日夜中過ぎまで酒飲んでは昼近くまで寝ているような怠惰な学生生活送っていた自分にとって、最大の敵は「早起き」と言っても過言ではありませんでした。「教育実習」なわけですから、始業時間は…当然学校が始まる8時半です。最初にして最大のハードルがそこだったわけです。最高血圧90前後をウロウロしているような自分にとって、早起きは拷問以外の何者でもありません。
実習初日、セットした目覚しより5分ほど遅れて目が覚めました。それでも準備を恙なく終え、慣れないネクタイに身を包み、颯爽と自転車に乗って母校へ。8時半集合のところ、10分余裕を持っての到着でした。
実習生控室に入ったら…そこには誰1人として実習生仲間がいませんでした。おっかしいなあ…。みんな早めに来ないのかなあ…。と思いつつ、荷物置場には実習生の人数と同じ数だけのカバンが置かれていました。え? もしかしてみんな来てるの? 不安になって「実習のしおり」を読み返してみると…。
「実習初日:8時15分職員室集合
とありました。
…血の気引きましたねえ。実習初日から遅刻ですよ。やってもーたと思わずにはいられませんでした。
慌てつつ、そーっと職員室に入ると、実習生仲間はちょうど自己紹介の真っ最中。ばれないようにさりげなーく、何食わぬ顔をして列の最後尾に加わり、何事もなかったかのようにしゃあしゃあと自己紹介を終わらせましたが、内心のバツの悪さといったら。何しろ、自己紹介をする順番は「教科順」で、国語科はホントなら真っ先に自己紹介しなきゃいけないはずだったんですから。それが、末尾の保健体育科が終わって実習生自己紹介終了かと思いきや、知らないうちに国語科の実習生が1人増殖しているんですから。母校だったので後に教師たちにさんざんからかわれたことは言うまでもありません。
こんなノリで始まった2週間の教育実習、ホントに「ハチャメチャ」の限りをやり尽くしました。母校でしばらく伝説と化したらしいですから、我々が実習行った年の実習生たち。ホント、楽しい仲間たちばかりでした。実習期間後半になると指導教員が教室に来なくなり、いわゆる「放し飼い状態」になるわけですが(…って言っちゃってよかったのだろうか?)、「3時間目は○○が××組で授業だ!」と聞きつけると、みんなで教室の後ろに乱入してチャチャ入れたりしてました。生徒たちはそりゃ楽しんでくれましたけど…いつ指導教員たちにバレて怒られるかと冷や冷やしつつムチャを繰り返していました。
かく言う私は、授業時間50分のうち、古典の話なんてロクにしてませんでした。ほぼ半分はムダ話。TVに出た話とかしたりして。実習の最後に授業の感想書いてもらったら、みんな授業のことには何1つ触れていなくて、TVの話のことばかり書いてました。そんなもんですよ、自分の授業なんて。
教育実習が自分の人生変えたかどうかは定かではありませんが*1、実習後も生徒たちの家に呼ばれて修学旅行の打ち上げに参加したり*2、生徒たちとつるんでドライヴに行ったりしてましたから、かけがえのない貴重な体験だったことは間違いないはずです。挙句、この前の我々の2次会に出席してくれた子たちまでいるんですから。
今となっては「教師を目指す」ことはもうないでしょうが、時々「教壇に立っていたかもしれない自分」を夢想することはあります。本職になってもムダ話ばかりだったら即刻クビでしょうけどね(笑)。


そうそう。
今となっては時効でしょうから。
1つだけ懺悔することがあります。


実習中。
祖母を危篤状態に仕立てて、15時15分の帰りのHRが終わるや早退し。
大学に出掛けてサークルのクイズ大会に出たことがあります。
極悪非道。


★★現在教育実習真っ最中の全国の教師のタマゴたちに最大限のエールを贈ります。人気blogランキング★★

*1:でも、実習前までは銀行志望だった私の高校時代の悪友は、実習終了直後に教員志望にスイッチし、たった3週間の受験勉強期間を経て採用試験に合格、現在某県立高校で数学教師をしています。

*2:当然彼らの話の内容には「池田亀太郎」系のモノも含まれていたりしたんですが(笑)。年長者として注意しろ自分(笑)。