涙の止まらなかった夜 歌声にもたれ眠りについた

8回ウラ。
生涯最後の打席に入る新庄を見守ろうとしていたとき、異変に気づきました。


新庄が泣いている!


…ダメなんですよね、こういうのに弱くって。
こちらのほうこそ、こみ上げてくるものを堪えるのに必死でした。


北海道日本ハムファイターズ
44年ぶりの日本一、本当におめでとうございます。
そして、ありがとうございました。
この日を待ってました。


新庄というどこまでも明るく輝く太陽のもと、みんなが1つにまとまっていたこのチーム。
一生忘れられないと思います。
もちろん新庄だけのチームなんかじゃない。走塁に守備に、そしてシリーズでは打撃でもチームを引っ張ってきた、新庄スピリットの後継者たる森本稀哲、究極のバント職人、でも打ってもよしの田中賢介、この人が打つとチームが俄然勢いづく、文字通りのファイター小笠原道大、頼りになる4番、シリーズ中もでっかいの打っていい仕事してくれたフェルナンド=セギノール、札幌ドームが大揺れするのはもはや定番、MVPにふさわしい大活躍を見せてくれた稲葉篤紀、若手ながら与えられた多くの出場機会を活かした、明日のファイターズキーマンになりうる素材である鶴岡慎也、バッティングはもう1つも守備で、そして何よりも明るさでチームに貢献したホセ=マシーアス、来年はサード定着を狙え、この第5戦の2塁打で名を上げた稲田直人、代走・守備固め要員では終わらない、やはり来年の飛翔に期待の飯山裕志、個人的にはチャンスに強い印象がある、選手会長としてチームを束ねた金子誠…1人1人がとても印象に残るチームだと思います。
以前にも書いたのですが、新庄の明るさによって選手みんなが引っ張られ、持てるものを十二分に発揮してくれたのだと思っています。
昭和56年の「島田誠−高代−柏原−ソレイタ−クルーズ−古屋−岡持−大宮−菅野」という優勝メンバーに勝る、いや、それ以上のベストナインだったと思っています。
もちろん投手陣も。若いダルビッシュ有八木智哉武田勝がフル回転で先発ローテを守って大活躍し、武田久岡島秀樹が中盤を固め、抑えをガッチリと締める守護神MICHEAL、そして…例の事件でミソはつけてしまったものの、第4戦でけじめを見事につけたエース金村曉。かつての「投手王国」時代の再現を思わせる陣容です。


それにしても。
監督より先に胴上げされる一選手なんてありえない。
それだけのものを新庄がチームに与えてくれたのだという証明に他ならないでしょう。


そして、トレイ=ヒルマン監督への感謝も忘れてはいけません。
多少手堅い采配だったかな…という感がないわけでもないですが、それでもこのチームに「勝つための方程式」を浸透させてくれたという功績は大でしょう。
あとは「シンジラレナーイ!」が流行語大賞を取ってくれれば言うことなしです(笑)。


来年。
もう新庄はいません。
そして、小笠原、岡島がFA権を行使して球団を後にするという噂もあります。
なにより、ヒルマン監督自身がレンジャーズの監督に就任するという話も…。


そう考えると。
この2006年。
またとない巡りあわせで掴んだ栄冠だったのかもしれません。
本当に感謝しています。


最後に。
3年前。
チームが北海道に移転すると決まったとき、本当に寂しい思いをしました。
長年応援し続けたチームが、手の届かない遠くに行ってしまうような気がしてなりませんでした。
「北海道の人は、結局日本ハムじゃなくて西武でもどこでもよかったんじゃないの?」なんて思ったりもしました。


それでも。
北海道のみなさんは、日本ハムを心から歓迎して、温かく迎えてくれました。
そして、どの球団よりも熱く、応援してくれました。


今年。
札幌ドームで選手たちにパワーを注いでくださった、北海道のファンのみなさん。
本当に本当にありがとうございました。
TV中継で、みなさんの応援をどれだけ心強く思ったことか。


今は、心から思うことができます。
「北海道移転は、正解だったのだ」と。


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