名前、それはアイデンティティー
帰宅後。
何気なしに本日の表題を見つめつつ、いろいろ調べものをしているうちに。
「北条時宗の『宗』は、元服時に将軍であった宗尊親王の名前の1文字を拝領したものである」という事実に行き当たりました*1。
なるほど。考えてみればごくごく自然な取り合わせであるものの、今まで知りませんでしたよ、この事実。後に宗尊親王が連署を務めていた時宗らによって将軍の位を廃されて京に送還された*2因縁を思うと複雑です。
ところで。
1つ気づいたことがあります。
北条氏の得宗家(いわゆる嫡流筋の家系です)を継承している人物の名前を見ると。
例外なく「時」の字がその名に使われています。
上に使われるか、下に使われるか…はともかくとして。
通し字として使用されていたことは疑いないところです。
初代執権である北条時政の父親の名前は「時家」といったようですし。
これら得宗家の本流以外の人物でも、目立つところを挙げただけでも。
とまあ、枚挙に暇がありません。
北条時宗のように「元服時に当時の将軍から名前の1文字を拝領する」という例は。
彼の父親である時頼や、その兄である経時が、第4代将軍である藤原頼経から1文字拝領したという例を見ても、珍しくなかったようです。
余談ですが、北条泰時は、元服した当時の名前は「頼時」といったようです。これは、言うまでもなく、源頼朝の「頼」を拝領したものです。建久5年(1194年)2月1日のことであったと『吾妻鏡』に記載があります。彼がいつごろ「泰時」に改名したかは不明です。
★★後北条氏の通し字は「氏」ですけどね。人気blogランキング★★