明日私は旅に出ます。

2度と修羅の道に戻るつもりはなかったのですが…。
とにかく、やれるだけのことはやって、厳粛にリザルトを受け止めたいとします。


ところで。
最近、また司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読み返しているのですが。
新装版 竜馬がゆく (5) (文春文庫)


そのなかで。
禁門の変で戦死した長州藩士・来島又兵衛について、こんな記述がなされていました。

又兵衛、妻女はおたけという。
長州藩きっての血気者のこの男も、妻女にだけは頭があがらなかったらしい。
年来、家庭をかえりみずに東奔西走するこの亭主を、妻女は笑止しごくにおもっていたようであった。
「いいお齢(とし)をなされて、いつになれば落ちつきなさるのです」
愚痴ばかりをこぼしていた。
「頼む、病(やま)いだとおもってくれ」
と、この藩公にさえ激論を吹っかける男も、妻女とだけは衝突を避けて逃げまわっていた。
こんど決死の進発をするときも、
「おたけ、これっきりだ」
掌(て)をあわせるようにして頼んだ。これっきりで東奔西走はやめる、というのである。
「本当でありまするな」
おたけは、笑顔も見せずに念を押した。
「本当だ、落ちつく」
「きっと?」
妻女が念をおすまでもなく、事実そのとおりになった。来島又兵衛は大軍をひきいて京に討ち入り、蛤御門に乱入し、馬上敵弾を受けて討死してしまったからである。

…ああ、今なら来島又兵衛の気持ち分からなくもないなあ。
そうしみじみ思います。


今回、1週間準備に没頭する自分を責めるでもなく、快く大阪に送り出してくれた妻に応えるためにも。
又兵衛のように「討死」だけはしないで帰りたいものです。


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