後味の悪さだけが残った…。

第69回オークスは。
トールポピーの勝利という形で終わりました。


が。
鞍上の池添謙一は。
最後の直線走路でトールポピーが内側に斜行し、レジネッタ、オディール、ソーマジックマイネレーツェルの進路を妨害した際の御法を問われて、2日間の騎乗停止処分を受けました。


…「騎手が騎乗停止になるのに、ウマが降着にならない」というJRAの判定が理解できません。
「騎乗停止になる」ということは「進路妨害があった」ということではないのですか?


「個々の馬の被害具合は着順を変更するまでは至らない」という説明ですが。
どうにも不透明だと思います。
マイネレーツェル武豊騎手は立ち上がるぐらいの不利を受けていましたし、レジネッタソーマジックトールポピーの斜行の影響で進路が狭くなっていました。
これでも「被害具合は着順を変更するまでは至らない」と言われるのでしょうか。


JRAのホームページにアップロードされたパトロールフィルムを何度も何度も見直してみたのですが。
被害具合が軽かったとは思えませんでした。
むしろ「…これがセーフなら、2006年エリザベス女王杯カワカミプリンセスだってセーフだったんじゃないの?」と思ってしまいました。


被害具合の軽重って、何をもってして判断するのでしょうか?
被害馬に騎乗している騎手のアクションでしょうか?


それならば。
自分のウマが脚色鈍くなってきて勝ち目が薄くなってきたら、オーヴァーアクションして「不利を受けた!」とアピールして降着をさせるよう仕向けることだって可能なのではないですか?(現にそういう騎手がいないこともないという記事も読んだことあります)



今回の被害馬に騎乗していた騎手は。
レジネッタ小牧太騎手も、オディールの安藤勝己騎手も、ソーマジック後藤浩輝騎手も、マイネレーツェル武豊騎手も、直線向いたときには勝ちを意識していたはずです。
だからこそ、不利を受けたところで、レースを捨てることはできなかったはずです。
懸命に立て直して、少しでも上の着順を取りに行こうとしたはずです。
その行為、そしてテクニックによってレースを続けた結果「被害具合は着順を変更するまでは至らない」と判断されたのだとしたら…あまりにも悲しきパラドックスです。


結果として。
今回のレース、トールポピーは9着に降着になっていたほうがスッキリしたと思います。
桜花賞からここまで立て直した陣営の努力には最大限の敬意を払いますが、結果としてこれだけのウマに迷惑をかけて勝ち取った勝利なわけですから、その栄光には曇りが差してしまったと言えると思います。
また、鞍上の池添謙一に対しては、日刊スポーツ紙上で水島晴之記者が書かれていた「ゴール前は内へササっている馬に、外側(右)からステッキを入れた。これも『矯正する意思がない』と騎乗停止の判断のひとつになった。GIをいくつも勝っている騎手としては情けない」という言葉の重みをよく理解してもらいたいと思います。あまりにも悪質で、危険な騎乗だったと思います。他のウマに何事もなかったのが救いでした。後続馬を意図的に封じ込めたようにさえ見えるあんな乗り方、ギャロップレーサーでしか見たことないですよ。


繰り返しになりますが。
池添騎手の乗り方が「騎乗停止に足る悪質なものだった」として認定されたのなら。
トールポピーも、連帯責任というわけではないですが、降着になったほうが自然な判定だったと思います。
被害馬の被害具合ウンヌンを問うのではなく。
その点において、多くの人が、今回のレースに対してスッキリしなさを持っているのだと思うのです。


1年最大の祭典である、来週の日本ダービーでは。
こんな後味の悪さを味わうことは御免です。
綺麗なレースで、感動をもらいたいと思っています。


★★今回のエントリでは、あえて自分の馬券勝負については言及しません。人気blogランキング★★