こんなんでも国語教師のタマゴだったわけなのですが…

どこの職場でもそうなんでしょうけど。
業務に関連したもろもろの回覧物が、日々回転寿司の皿よろしく回ってきます。


そんななかで。
「内外教育」(時事通信社)の8月1日発行号のなかに、興味深い記事がありましたので、紹介させていただきます。


「国語力向上は学校教育に期待―2007年度「国語に関する世論調査」」

文化庁は七月二十四日、二〇〇七年度「国語に関する世論調査」の結果を発表した。今回は、毎年取り上げている慣用表現の意味に関する設問などのほか、日本人の国語力の評価などについて質問。国語力を向上させるための方策を聞いたところ、七割近くが「学校教育での国語教育の充実」と回答し、学校教育に対する期待が大きいことが分かった。
(中略)
続いて、慣用句や語句の意味についての質問。
(中略)
一方、「卑劣なやり方で,失敗させられること」については、「足下をすくわれる」74.1%、「足をすくわれる(本来)」16.7%となり、本来の表現とは違う表現を選んだ割合が七割を超えた。
(中略)
「話のさわりだけ聞かせる」という場合の「さわり」の意味では、「話などの要点のこと(本来)」35.1%(二〇〇三年度31.1%)、「話などの最初の部分のこと」55.0%(同59.3%)となり、本来とは違った意味を答えた者が半数を超えた。
(中略)
「憮然*1として立ち去った」の「憮然」では、「失望してぼんやりとしている様子(本来)」は17.1%(二〇〇三年度*2 16.1%)、「腹を立てている様子」70.8%(同69.4%)で、前回と同様、本来とは違う意味で理解している人が約七割だった。
「檄を飛ばす」では、「自分の主張や考えを,広く人々に知らせて同意を求めること(本来)」が19.3%(二〇〇三年度14.6%)、「元気のない者に刺激を与えて活気付けること」が72.9%(同74.1%)で、これも本来とは違う意味で理解している者が七割を超えた。

…すみません。
ここに挙げられているもの、全部「本来ではないほう」で使っていました。


「言葉は生き物」なわけで。
時代の変化とともに、違った意味で使われる例も少なくないのですが。
それにしても…なんともはや、です。


職場でのひとときに。
ちょっとだけ、心の琴線に触れた(←これも、本来の意味ではなく「怒りを買ってしまうこと」だと思っていた人が35.6%いたとのことです)記事でした。


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*1:原典では「ぶぜん」と平仮名表記ですが、文化庁の発表では「憮然」と漢字表記になっていました。弊ブログでは意味を捉えやすくするため、あえて漢字表記に修正しました。

*2:原典では「二〇〇一年度」となっていましたが、文化庁の報告によると「平成15年度」とあり、他の項目と比較してみたうえでも「二〇〇三年度」の誤記ではないかと判断しましたので、あえて注記を付けたうえで訂正しました。