幾千年果てしなき夢と希望を 一夜のうちに消してしまったのか

いよいよ明日は有馬記念です。
日本ダービー有馬記念ぐらいですよね、開幕週になると1週間ソワソワ落ち着かなくレース当日を待ってしまうのって。


昨今の競馬において。
古馬の有力馬のなかにおいては、有馬記念を回避してジャパンカップを最重点レースにするウマも少なくはありません。
理由の1つとして、「冬の中山の固い馬場が脚元に負担少なくなく、故障馬も他開催に比べて多い」というのが囁かれているらしいのです。統計取ったわけではないのでしょうから真偽のほどは不明ですが*1


それでもなお。
「グランプリ」の存在感は、絶対です。
シンザンスピードシンボリトウショウボーイテンポイントシンボリルドルフオグリキャップトウカイテイオーナリタブライアンテイエムオペラオーディープインパクト…。綺羅星のような名馬たちが勝ち馬として名前を連ねています。
その名を口にするだけでも、このレースの積み重ねてきた重みが分かろうと言ったものです。


そこで。
今回のエントリでは。
「個人的に思い出に残る有馬記念ベスト5」を紹介させていただきたいと思います。
リアルタイムで見たものから、後にDVDで見たものも含めて、語らせてください。

第5位:2001年(第46回)(勝ち馬:マンハッタンカフェ
テイエムオペラオーも、メイショウドトウも、ナリタトップロードも飛んだ有馬。3番人気の勝ち馬マンハッタンカフェが連れてきたのは…13番人気(シンガリ人気!)のアメリカンボスでした。新宿の出先でこのレース見ていて、一瞬状況が飲み込めなくてフリーズしてしまったのをよく覚えています。それにしても…当時3連単が存在していたら、いったいいくらぐらいの配当になったんでしょうね? 3着も6番人気のトゥザヴィクトリーでしたし。

第4位:2008年(第53回)(勝ち馬:ダイワスカーレット
1971年トウメイ以来、37年ぶり、史上4頭目のグランプリ牝馬となったダイワスカーレット。もう…グゥも出ませんでした。強い、強過ぎるこの牝馬
結果として、彼女自身の現役最後のレースとなってしまった有馬記念ですが、1年経った今でもあの日の戦慄と感動はまだ記憶に新しいところです。今年1番人気のブエナビスタは、彼女やウオッカを超える存在になることができるのでしょうか。

第3位:1997年(第42回)(勝ち馬:シルクジャスティス
ペリエエアグルーヴを、武豊マーベラスサンデーがねじ伏せて、それで終わりかと思ったのですが…最後の最後にシルクジャスティスが鬼のような脚で差し切りを決めてくれました。
シルクジャスティスというのはかなり難しいウマだったようで、後ろからの位置取りでないとレースができず、ダービーからこっち「追い込んで届かず」という内容が続いていたのですが、そんな不器用な彼を信じて、あくまで自分の信念を貫いた藤田伸二の騎乗に心打たれました。本当にこのウマのこと信じていたんだなあ…と思うと、馬券外れたのを忘れて拍手を送るしかありませんでした。1997年は、個人的には名勝負揃いで最高の1年だったと思います*2

第2位:1993年(第38回)(勝ち馬:トウカイテイオー
このレースこそが、競馬を見始めて1番最初に感動をもらったレースでした。中363日のレース、常識では考えられない奇跡の復活劇。どんなに傷ついても、そのたびに立ちあがってきたトウカイテイオー、彼に競馬の面白さも怖さも全て教えてもらったのだと思っています。
鞍上が現在タブーな存在となってしまい、多くを語ることができないのが残念ですが、彼、自分が最初に心酔した騎手でもあったんですね。そんな彼が、「テイオー復活」の際に見せた涙。「日本競馬の常識を覆したトウカイテイオー、彼自身の勝利です」という彼の言葉は、その存在が黒歴史となってしまった今でも忘れることはできないのです。

第1位:2006年(第51回)(勝ち馬:ディープインパクト
「自分の中では、トウカイテイオー復活を超える有馬はない」、長年ずっとそう思ってきました。が、その考えが塗り替えられるときはやってきました。「日本近代競馬の結晶」とうたわれたディープインパクト、彼は、最後の最後まで彼であり続けて、後ろの馬たちを置き去りにしてターフを駆け抜けていきました。「さあ、ディープインパクトが、ここで、翼を広げるか!?」「ディープインパクト先頭! ディープインパクト先頭! 間違いなく飛んだ! 間違いなく飛んだ!」「最後の衝撃だ! これが最後の、ディープインパクト!!!」三宅正治アナの歴史に残る名実況を聴きながら、自然と流れ出る涙を止めることができませんでした。


…本当は「シンザンが消えた!」とか「テンポイントvsトウショウボーイ、2,500mマッチレース」とか「シンボリルドルフ初の7冠達成」とか「オグリ奇跡の復活V」とか挙げなきゃいけないんでしょうけど、リアルタイムで見ていたわけではないのであえてはずしました。「有馬記念史」とかがあるのであれば当然語られるべきエピソードばかりですけどね。


今年の第54回有馬記念が。
これらに並ぶ名勝負になってくれることを期待せずにはいられません。


オマケ。


過去4年の、自分の馬券勝負の負けっぷり。

…処置なしです。
そういえば…生まれて初めて買った馬券って、1991年有馬記念でした*3「これはびっくりダイユウサクにやられちゃいましたけど。


★★いや、今年は考えに考えているのですよ。馬券面では。人気blogランキング★★

*1:なるほど、1987年サクラスターオーの悲劇は20年以上経った今も記憶に新しいですね。1992年のサンエイサンキューとかも。また、有馬記念以外にも、この中山開催で故障した有名馬には、1992年スプリンターズステークスケイエスミラクル、2000年朝日杯3歳ステークス(現.朝日杯フューチュリティステークス)のタガノテイオーなどがいます。

*2:牡馬クラシックではサニーブライアンの2冠、牝馬クラシックではメジロドーベルvsキョウエイマーチ古馬中・長距離では、春の3強激突、秋のエアグルーヴ戴冠、短距離戦線ではタイキシャトル台頭の予感…ホント、役者揃いだったと思います。

*3:当時は、学生が馬券買うのは競馬法違反でした。まあ…時効ということで(笑)。