見届けました。

まずは、千葉ロッテマリーンズ、天晴れでした。ものすごくプレッシャーもかかっただろうに、キッチリ3連勝決めて自力で最後の椅子を奪い取ったことに敬意を表さずにはいられません。内投手、伊藤投手と中継ぎ陣がしっかり仕事をしていたのが強みでしたね。ファーストステージ、日本ハムの分まで暴れ回ってヤフードームに進んでください。
オリックスバファローズにもお礼を言いたいです。与えられた状況の中でベストを尽くしてくれたと思います。まさか今日の試合でT−岡田選手がスタメン起用されるなんて思ってもいませんでした。両試合とも1点及ばず敗れましたが、ナイスゲームをありがとうございました。これならば納得です。
mixiのファイターズコミュで一部オリックスの選手に罵声を浴びせる書き込みがありましたが、自分はよそ様のチームの選手の批判は基本するべきではないと思います(熱くなる気持ちは分からなくもないのですが…)。この2試合、日本ハムの選手がこんなプレーしたら磔だな…」と思わされるミスも散見されましたが(苦笑)、あと1つ余分に勝てなかったこちら側が悪いのであって、オリックスの選手がとやかく言われる筋合いではないのだと思います。


さて。
遂にこの日が来てしまいました。
本当の意味での「終戦」です。


プレーオフクライマックスシリーズを落とすのは、2005年以来5年ぶりですか。
やはり、寂しい、情けない思いです。


人はみな「4月のあの惨状を思えば、貯金7、ゲーム差3の4位は上出来」と言います。
しかし…本当にそうでしょうか?


自分は悔しくて仕方ありません。
夏場過ぎてから上向きだった現在のチーム状況からすれば、クライマックスシリーズに出られさえすれば大逆転も不可能ではなかっただけに、このハナ差負けが本当に口惜しいのです。


不可抗力もあったでしょう。
信二が頭に死球を喰らい後半戦を棒に振ったり、誠がケガで2度も長期離脱を余儀なくされたり。
稀哲だって出られなかった時期少なからずありましたし。


ただ。
今年のチーム、1年を通して接戦に弱かったのは驚きでした。
今までには見られない姿でした。


理由は何か?
「今年は今までになくミスが多かった」ということだと思います。
バントの失敗、イージーなエラーなど、昨年までのこのチームからはおよそ想像もつかない光景をよく目の当たりにさせられました。
ヒルマン政権の頃から大事にしてきた「基本的なプレー1つ1つを大切にする」という部分がややなおざりだったのかな…という気がせでもありません。


Bクラスに沈んだ“戦犯”を個人的に名前を挙げてあげつらうことはするべきではないのかもしれませんが。
久と稲葉は大誤算だったと思います。
久は…前半戦はホント「負のスパイラル」にハマってしまったような印象です。確かに昨年が素晴らし過ぎたのかもしれませんが、この時期気になっていたのは、マウンド上の久が、どこか所在なさげで不安そうな表情をよくしていた点です。
自分は何度「それほど内容悪くはない。今の久に必要なのは失った自信を取り戻すことだけ」と主張してきましたが、ようやくそれを取り戻すことができたのは…9月に入ってからでした。もっともっと早いうちに心のケアができていれば…セットアッパーたちが素晴らしかっただけにあるいは1つ2つ星を拾えたのかもしれません(ちなみに…付け加えますが、自分はそれでも「来年もクローザーは久でいくべき」だと思っています)。
稲葉は、数字的な面と言うよりは、好機での凡退が今年本当に目立ったように思います。らしくなかったです。小谷野の打点王獲得も、裏を返して言えば「溜まったランナーを稲葉が帰せなかった分、次の打順の小谷野の打点が上がった」という穿った見方できなくもありません。
「稲葉批判」は、このチームにとってはある種タブーかもしれません。自分も、個人的には稲葉の人柄とかは大好きなのですが、今年は彼にフラストレーション感じてしまう場面が本当に多かったのです。まあ彼も「今までが素晴らし過ぎた」という言い方できるかもしれませんが。
この2人には、期待しているところが大きいんですよ。自分としても、多分他のファンたちもそうだと思いますが。その分、来年は今年の分も取り戻してもらいたいと思うのです。


一方。
頑張った選手たちは。
投手陣では、ダルビッシュや勝、ケッペルは言うまでもないのですが、自分はまず宮西、建山の両セットアッパーを挙げたいと思います。ともに50試合以上投げて防御率が1点台。今年チームがどん底から浮上する原動力になってくれたと思います。1年を通しての大車輪の働き、この2人には足を向けて寝られません。
「ミスター・スクランブル」こと榊原も見事でした。壊れかけた試合を何度彼が救ってくれたことか。ただ…「榊原が10勝」ってことは、裏を返せば「それだけ先発陣が崩れた」ということの証ですから…手放しでは喜べないんですけど。それでも、2年目の彼の躍進は称賛されてしかるべきでしょう。
打撃陣は、やはり小谷野と賢介。小谷野は春先はやや不調でしたが、見事に立て直してくれました。賢介とともに、高い得点圏打率でチームに貢献してくれたと思います。あえてもう1人挙げるとすれば…陽岱鋼。後半戦の頑張りは、来年に期待持てるものだったと思います。


3年目の梨田采配。
総合点をつけるとすれば…いいとこ50点ぐらい。クライマックスシリーズを落としたことで、60点より上はつけられません。


ここで1つ。
思い出してもらいたい試合があります。
開幕2試合目、3月21日のソフトバンク戦のことです。


自分は、その日のエントリでも指摘しましたが(http://d.hatena.ne.jp/CasparBartholin/20100321#p1)。
それまで1安打と好投していた勝を慎太郎に交代させて同点に追いつかれたのは、梨田監督の采配ミスに他ならないと思います。
なぜ勝を信用しなかったのでしょうか。


監督の采配ミスで負ける試合なんて。
いいとこ年間で1〜2試合ぐらいかもしれません。
でも、今年は、結果的にその1試合でクライマックスシリーズを逃してしまったかもしれないのですから、最後の最後にとてつもなく高い代償を払わされる形になってしまったと言ってもいいと思うのです。


まあ、これ以上梨田監督の批判は控えます。
ケガ人多かったり、自身の意に反するトレードで用兵もままならなかった部分は同情できる点ですし。
何はどうあれ、来年は梨田監督その人にV奪回を目指して頑張ってもらわなくてはならないのですから、ぜひ今年の悔しさをバネに、反省すべき点はキッチリ反省してチャンピオンフラッグを札幌に取り戻してもらいたいと思います。


監督に対する批判はこれぐらいにしますが。
GMを筆頭に、編成部のフロント陣には怒りしか覚えません。
オフシーズンのメチャクチャなチーム編成を見ても、失敗ばかりだったトレードを見ても、今シーズンの惨状の責任は梨田監督よりはむしろフロントに負うところが大だと思うのです。
なぜスレッジと再契約しなかったのか(中田を筆頭に若手を育成したかったらしいけど、結果として若手はさほど育たず、チームの攻撃力が低下しただけの結果)、なぜあんな割の合わないトレードばかりしたのか(直人、弥太郎、慎太郎を出して代わりに取った選手たちが今年出した結果は…)、なぜカーライルを獲得したのか(ケッペルとウルフは当たりの部類だったけど…)…など、疑問点ばかりです。
そのくせ、シーズン中盤以降に先発なり中長距離ヒッターなりをトレードや新外国人で補強することはなし。やることなすこと全て支離滅裂です。
「GMは辞任、編成スタッフは全員解雇」でもおかしくないぐらい責任大だと思います。
人気に胡坐をかいていたら、大変なことになってしまいますよ。
これ以上ここで言っても益体のないことなので、この程度にしておきますが…。


今シーズンオフ。
個人的には「大トレードの予感」がしてなりません。
弱点となっている「“3本柱”以外の先発の駒不足」「もう1パンチ足りない打線」「代打にも事欠く始末のリザーヴァーたち」を補うには、多少血を流してでもチームを立て直していく必要があるのではないかと思うのです。
…その舵取りを、フロントがどうか間違えませんように。


最後になりますが。
今シーズン、あれこれ厳しいことも言い続けてきましたが、自分はやはり北海道日本ハムファイターズのことが好きで好きでたまらないのです。
チームが勝てば嬉しいし、負ければ悔しい――それだけなのです。
そんな一喜一憂を、おそらく懸命のプレーで紡いでくれた選手たちや監督・コーチ陣に対して、ここで「1年間ありがとう」の一言を贈りたいと思います。
来年も、時には笑い、時には檄を飛ばしつつ、このチームを応援できますように…。


★★今年一緒にこのチームを応援してくれたみなさんにも感謝。人気blogランキング★★