短くも美しく燃え

…夜中近くに帰宅して。
今日は普通に仕事しました。
我ながら、けっこうタフ。


今回の現地調査では。
橿原市、御所市の陵墓を中心に訪問しました。


昨日のエントリで既報のとおり、神武天皇陵初訪問。
この陵墓は、いわゆる「文久の山陵修復」以来、“始祖陵”として体裁を整えるべくかなり手が加わっている状態です。
そこいらへんは先行研究も多々あるところなので、レポートにまとめる際に紹介させていただければ…と考えています。


綏靖、安寧、懿徳、孝昭、考安という、第2代〜第6代の天皇陵も見てきました。
これらいわゆる「欠史八代*1と呼ばれる天皇は、その実在について否定的な意見が大多数ですが*2、肝心なのは「それの天皇の陵墓の存在地として記紀延喜式にその所在地が伝承されたのはなぜか」、そして「それらの天皇陵がどういったプロセスを経て現治定陵に落ち着いていったのか」という点なのだと思うのです。
そこいらへんが、自分自身の研究に今後つながっていく部分かと思っています。


他方。
今回のメイン目的地の1つだった、報道で「斉明天皇の真陵の可能性が高い」と報じられた牽牛子塚古墳にも出向いたのですが…。
「調査中のため見学はできません」の看板が出ていて、あえなくUターン。
がっかり。
現治定陵との比較検証をしたかったんだけどなあ(現治定陵は拝所の中には入れませんが)。


ただ。
その斉明天皇陵。
紅葉がとても綺麗でした。

現地調査で紅葉を満喫できるなんて思いもしなかったので、なんか儲けものをした気分。


真夏の調査と違い。
気候が穏やかだった(若干肌寒くはありましたが)ので、身体的にはとてもラクチンでした。
春先は年度替りで難しそうなので、これからは現地調査は10月〜11月の時期がいいかもしれませんね。
夏場は休暇取りやすいので、どうしてもその時期に出掛けることにならざるを得ないんですけど。


まだまだ、7月・9月の現地調査のレポートもガッツリ溜まってしまっている状態ですが。
そちらがハケ次第、今後順次紹介させていただきますので、ご期待ください。


★★…今年中にレポートできるのだろうか? 人気blogランキング★★

*1:「厥史八代」という表記を使用することもあります。第2代綏靖天皇から第9代開化天皇までの、『古事記』『日本書紀』で系譜以外の事跡が掲載されていない8代の天皇のことを指す言葉です。

*2:鳥越憲三郎のいわゆる「葛城王朝説」など実在を主張する研究者もいます。