これぞド根性

今年のノーベル医学生理学賞の受賞者が、ヘリコバクター・ピロリ*1を発見したバリー=マーシャル氏とロビン=ウォーレン氏に決定した、と発表になりました(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051004-00000622-reu-int.view-000)。

両氏がこの細菌、ピロリ菌を発見した1982年当時は、細菌は酸性が強い胃の中では生息できないと考えられていたため、医学界からは懐疑的な見方をされていた。
マーシャル氏は、ピロリ菌を培養したものを飲んで自らに胃潰瘍を発生させ、その後治療してみせることでこの発見を証明した。

…いいですねえ、こういう根性入った人は大好きです。なんてったって「ピロリ菌を培養したものを飲んで自らに胃潰瘍を発生させ」ですからねえ。自分の学説が正しいのを、それこそ身を挺して証明してみせたわけですから。ちょっとやそっとではマネできませんよねえ。胃潰瘍の痛みに悶絶しながら自分の学説が正しかったこと確信して小躍りしてみせたりしたんでしょうか、このヒト?


ところで、「ノーベル医学生理学賞、ピロリ菌発見の豪研究者2氏に」の見出しを最初に見たとき、「…トゥオートとデレルだったっけ?」と一瞬カン違い。…バクテリオファージ*2を発見した2人でした。最近ますます記憶障害が激しくなってきて困りものです。


ウォーレン氏はおひょいさんにやや似。人気blogランキング

*1:今日胃潰瘍や十二指腸潰瘍と密接な関係があると考えられている、数本の鞭毛を持ち、尿素を分解してアンモニア二酸化炭素を生成する螺旋状の細菌。ヘリコは「旋回」、バクターは「細菌」という意味で、ピロリはこの菌が胃の幽門近くで多く発見されることから幽門を指す「ピロルス」を語源としている。

*2:生きた細菌に寄生し、その菌を溶かして増殖するタイプのウイルス。「細菌を食べるもの」という意味を語源とする。