大きいことはいいこと…なの?

本日表題で紹介した「弓削道鏡」について、少しばかりお話させていただきます。


(小さいお子ちゃま、並びにシモ系の話が苦手な方は、この先読み飛ばしをお勧めします)






いきなりなんですけど。
道鏡巨根伝説」って、どっから沸いて出てきたネタなんでしょうね?


江戸時代の川柳でも「道鏡は座ると膝が三つでき」「道鏡に根まで入れろと詔*1」なんて数々詠まれていたぐらいですから、その頃には広く信じられていた俗説なんだろうなと思います。


この俗説が醸成されたメカニズムですが。
彼に寵愛を一身に傾けていた称徳女帝が生涯独身であったことから、様々な揣摩臆測を呼んだのだと見て間違いありません。
「孤高のエンプレスがあれだけ血道入れあげるんだから、そりゃもうなんかあったんだろうな」って。


そして。
続日本紀』に、女帝が1度目の皇位を退いた後の天平宝字5年(761年)、「保良宮で病を得た女帝を道鏡が呪法で治した」なんて記事が出てくることも、憶測に拍車をかけるのに一役買っています。
「どんな呪法を使ったんだか」って*2


こうなると、俄然「道鏡愛人説」が浮上してくるのは、ある種自然のなりゆきではあります。


しかし、そこから一足飛びに「道鏡巨根説」に行く理由が、どうにも説明つかないんですよねえ…。私個人としても。


そも「デカいからとりこにできた」のでしょうか?
テクニックとか、ピロートークとかはこの際斟酌されないのでしょうか?*3


単なる日本人の「巨根信仰」に過ぎないような気がしてならないんですよねえ…。


こんな中2レヴェルの憶測によって巨根に仕立て上げられて、今日までまことしやかに語り継がれている道鏡
ある種気の毒なヒトであると言えるかもしれません。
ま、「小さかった」と語り継がれるよりはマシ…ってことなんでしょうかね。


中1の同級生に「ビッグ」というあだ名のヤツがいた。理由は…。人気blogランキング

*1:この場合「詔」を出したのは、当然「道鏡を愛人にした」と噂されていた称徳女帝です。しかし、「根まで入れろと詔」って、そんな豪速球を…。

*2:女帝の病は「更年期障害」であったという説があります。それを道鏡が治すのに、その…ナニガシかの行為をしたと見る向きもある、というわけなのです。

*3:なぜここまで熱く語るのだ自分?(笑)