よしや身は蝦夷の島根に朽ちるとも…

奇しくも鳥羽伏見の戦いが行われた日である本日1月3日、『新選組!! 土方歳三 最期の一日』が地上波で放送されました。
前述のとおり、自分はBSハイビジョン放送で2日先にオンエアを見ていたのですが(http://d.hatena.ne.jp/CasparBartholin/20060101#p3)、今回また改めて前半部を見て再度感じ入りました。
(ちなみに21時30分からは『古畑任三郎』にスイッチ。やっぱり藤原竜也くんはナチュラルにうまいなあ…と改めて感激)


ネタバレを避けるために地上波の放送終了後まで待っていた感想的なものをばここで。


…「三谷的新解釈」、ここでも驚かされました。いや、何が驚かされたって、「土方は死に場所を求めていた」んじゃなくて、「生きるために戦おうとしていたのだ」という新機軸に。間違いなく、これまでの新撰組モノに新たな一石を投じた脚本だったと思います。
圧巻だったのは、土方と榎本武揚との延々と続くやり取り。「存外ヘタレだった」という説もある榎本武揚ですが、このドラマでは骨っぽい、そして「ろまんち」な人物として描かれていました。そして、そんな榎本を片岡愛之助さんが好演。今回の見せ場はここに尽きるといっても過言ではないでしょう。
ただ、惜しむらくは、確保された放送時間が短くて土方と榎本とのやり取りに力点を置かざるを得なかったせいなのか、新選組の仲間、島田魁や尾関雅次郎、はたまた今回初登場の相馬主計*1たちとのやり取りが思いの他に少なかった点。「人の帰すること赤子の母を慕ふが如し」と隊士たちに慕われた土方最晩年の姿をもう少しだけ見てみたかったような気がします。京都時代から苦楽をともにしてきた島田と尾関とのやり取りは特にもっと見てみたかったですね。
試衛館時代の新ショットは我々への「お年玉」だったのだと思います。みな昔とちっとも変わらぬ姿でそこにいてくれたのは感激の一言でした。土方の口から「山南総長は武士の中の武士だった。あの人がいなきゃ今の新選組はなかった」との言葉を聞かされたときが…個人的には1番ヤバかったですね。こみ上げてくるものを堪えるのが。
最期の言葉の「…かっちゃん」はチト蛇足感が。当たり前すぎてしまって。「…榎本さん、すまん」で終わりにしといたほうがよりよかったと思います。2人のあの迫真のやり取りから1本筋の通った結末になったと思うので。


これで『新選組!』系のドラマは「一区切り」になるんでしょうかね? 続編は難しいにしても、まだまだ外伝的なものを見たいなあ…と思わされずにはいられませんでした。試衛館時代や在京中のエピソードなど、まだまだ追加できる要素は残っていると思うんですけどねえ…。
あと、個人的に今後見て見たいのは、『燃えよ剣』の映画化。『新選組!』のキャストは「永久欠番」的に起用しないと仮定するならば、土方はぜひ上川隆也さんに演じてほしいと思います。キャラメルボックスでも『風を継ぐ者』で土方演じていた実績もありますし、イメージ的にはピッタリかと。


しかしオダギリジョーの斎藤一は相変わらずシブくてよかったなあ。人気blogランキング

*1:小橋賢児くん演じる彼がイイと思った貴女、間違ってもホンモノの写真を探し出してみてはいけません(笑)。