視聴完了。

というわけで。
壬生義士伝』の感想戦です。


…「義士」とは何か、「義のために命を投げ打つ」こととは何か、ということを、改めて考えさせられる作品です。
何度見ても、心を打たれます。


限られた時間内にストーリーをまとめなくてはならない映画としての性格ゆえ、原作のように複眼的な視点でもって物語が展開したり、土方の人間性が語られることがほとんどなかったりしたのは残念でしたが、まあ仕方ないところでしょう。
そのへんは、原作に譲るということで。


で。
やはりこれについては触れずにいられまい。


佐藤浩市が演じる斎藤一
堺雅人が演じる沖田総司


についてです(笑)。


新選組!』を見るのが先だった自分としては、どうしても「…鴨?」「…山南さん?」と思わずにはいられませんでしたが。
やはりよかったですよ。


佐藤浩市さんの演じる斎藤一、ホットでしたねえ。ラスト前に吉村貫一郎の胸倉を掴みながら「生きろ!」と叫ぶシーンがクライマックス。オダギリジョーのクールな斎藤一とは違ったパッションあふれる斎藤がそこにはいました。「これはこれでアリ」と思えたのは、佐藤さんの思わず血潮が伝わってくるような迫真の演技ゆえだったのではないかと思います。
一方、堺沖田。…これがまた「これはこれでハマリ役」なんですよねえ。ヴィジュアル的にはむしろ藤原竜也くんよりは堺雅人さんのほうがホンモノに近かったのではないかなあ…と。「三谷脚本においては、総司役は藤原竜也くん以外はありえなかった」と私は個人的には思っているのですが、それと同様に「『壬生義士伝』の総司役は堺雅人がハマリ役だった」という思いを強くしています。
なんといっても…喀血した直後にニヤリと笑う総司。あの不気味さと哀しさが織り交ざった表情。今回最大の見所といっても過言ではないでしょう。


今後またいろいろと新撰組モノが映画やドラマで映像化されることがあることでしょう。それぞれに、異なるストーリがあり、それに即した異なる演技方があるのでしょう。
「誰々はこうでなくてはならない!」というものはなくても、「『○○』の中における誰々はこうでなくてはならない!」というものは存在するのだと思います。
そういう点においては、佐藤斎藤も、堺沖田も、私的には大満足でした。あとは、TVドラマの『壬生義士伝』(斎藤一竹中直人!)と見比べるぐらいですかねえ…。


★★堺雅人は『ココニイルコト』の演技も好きです。人気blogランキング★★