こんなに悲しい知らせはなかった…

昨年、ベガ、ラインクラフトと、かつての「桜の女王」の訃報が相次ぎましたが。
今度も「桜の女王」の訃報です。
しかも…よりによって、自分が大好きで、思い入れの深さでは1、2という馬の訃報を、こんなに早く伝えることになるとは思いもしませんでした。


キョウエイマーチが亡くなったそうです(http://jra.jp/news/200705/051002.html)。

キョウエイマーチ号の死亡について


ノーザンファーム早来牧場(北海道安平町)にて繁養中でありましたキョウエイマーチ号が、昨日21:00、病気のため死亡したとの連絡がありましたのでお知らせいたします。


ノーザンファーム・中尾義信氏からのお知らせ
「1997年の第57回桜花賞キョウエイマーチ号が、繁養先のノーザンファーム早来牧場にて、去る5月9日21:00に永眠いたしました。
同馬は、5月8日5:00にネオユニヴァースの牡駒を出産、その後疝痛症状が続いたため、翌9日には社台クリニックにて開腹手術を施しましたが、同日21:00に残念ながら死亡いたしました。死因は、出産時における大腸変位と診断されました。
同馬は、2001年10月に早来牧場へ繁殖牝馬として入場、翌年初産駒としてヴィートマルシェ(父フレンチデピュティ)を出産、その後本年最後の産駒を含む4頭を輩出しております。」

…いろいろと思いが尽きることのない馬です。
1997年1月12日。
たまたま自宅でつけたTV中継で、京都競馬場第9競走・寒梅賞(4歳500万下*1)を見て。
2着のタガノラピスに10馬身差をつけて圧勝した1頭の牝馬の走りに。
不思議と「今年の桜花賞はこのウマ!」と直感するものがありました。
思えば、「クラシックシーズンが始まる前からじっくりとレースを見て“クラシック候補”を探し出す」という行為をするようになった最初の年でした。「なんかいいウマいないかな…」と思っていたちょうどそのとき、「…思わぬ新星見つけたぞ!」と感激し、「1997年の牝馬クラシック戦線はこのウマを追いかけていこう」と決めたものです。


…まさか、そのまま、エルフィンステークス、報知杯4歳牝馬特別(GII)(現.フィリーズレビュー)、そして桜花賞と3連勝で「桜の女王」になるなんて、この1月12日時点では思いもしませんでした。
それだけに、「条件戦走ってる頃から自分が目をつけていたウマがクラシック馬になった!」ととても嬉しかったのを、今でも覚えています。


ピンクのメンコがよく似合った、かわいいウマでした。
そのくせ、7歳*2で重賞を制する*3など、「早熟」のイメージが強い桜花賞馬にしては息の長い活躍を見せてくれたウマでした。


「出産時における大腸変位」ですか。
繁殖牝馬の出産って、やっぱりアクシデントがつきものなんですね。
スペシャルウィークも、誕生時に母親のキャンペーンガール(←という名前のウマだったのです。決して「繁殖牝馬をキャンペーンする女性がいた」わけではありません)が亡くなったと聞いたことありますし。


残された子供たち。
スペシャルウィークの1歳牡馬、そして…キョウエイマーチが今回自らの命と引き換えに送り出したネオユニヴァースの当歳牡馬には、ぜひ母の分までその生を、そして走りを全うしてもらいたいものです。


思えば。
94年生まれの牝馬で「3人娘」と呼ばれた3頭の牝馬のうち。
シーキングザパールも既に他界し。
現在も存命なのは、メジロドーベルだけになってしまいました。


クラシック戦線ではキョウエイマーチのライヴァルだった彼女ですが。
これからはマーチの分までいい仔を出してもらいたいものです。


★★まさか自分がレポートの最後の追い込みをしているときに彼女の生が終わっていようとは…。人気blogランキング★★

*1:馬齢表記は当時。

*2:馬齢表記は当時。

*3:2000年京都金杯GIII)。