サムライ、カタロニアまかり通る!

というわけで、琢磨です!


1年前の開幕戦を「4年落ちの旧アロウズのマシンをモディファイしただけ」のシャシーで迎えざるをえなかったスーパーアグリが。
昨シーズンは常にテールエンダーで「動くシケイン」と揶揄されていたスーパーアグリが。
いかに「ホンダのカスタマーシャシー疑惑」はあるにせよ、デビューから22戦目、わずか1年ちょっとでポイント獲得できるなんて、誰が想像できたでしょうか?


確かに。
今回の琢磨の入賞は、多分にラッキーな要素もありました。
ジャンカルロ=フィジケラを3ストップ作戦に切り替えるタイミングを完全に見誤った、昨年のチャンピオンチームらしからぬミスを犯したルノーのポカに助けられての「タナボタ」臭がプンプンするのもまた事実ですが*1
それでも、「フィジケラ、3回目のピットイン」の時点まで琢磨がコンスタントな走りと速さを見せることができたからこそ掴み得た、本当に本当に貴重な「1ポイント」だったと思います。


正直言って。
最初に亜久里が「自分のチームでF1に打って出る」と聞いたとき、「…このヒトの脳の中はホントに大丈夫なのか?」と思わずにはいられませんでした。
リジェチームを買収してスタートしたプロストや、当時の国際F3000で十分な実績を積んでいたスチュワートとは違って、文字通り「0からの出発」でしたし(クドいようだけどシャシーは4年落ちだし…)。
「ホンダエンジンが泣いてる」「琢磨はこのまま亜久里に義理立てしてたらキャリア終わっちゃうぞ」と昨シーズン中は思わずにはいられませんでした(それでも最終戦に琢磨が10位完走を果たして光明が見えてきたような気もちょっとだけしたけど)。


それが。
今年は「本家ワークスホンダを喰ってしまう大躍進」ですから。
心底おみそれしました。
スーパーアグリの年間予算って、本家ワークスホンダの何%ぐらいなんでしょうね? それ考えると余計に今回のリザルトはすんばらしーと思います。
正直、辛いときでも決して言い訳をしない「典型的日本男児中嶋悟さんのファンだった自分としては、「なんかよく分かんないけど、いきなりマシンが壊れちゃったんだよねー。ガッカリだよねー、せっかくポイント狙えるところ走ってたのに」なんて調子でいつもズバズバしゃべる現役時代の亜久里にはあまりいい印象なかったんですけど、それでも「現役時代最高位3位*2」のドライヴァーが、オーナーとしてこれほどの「快挙(と言っていいでしょう!)」を成し遂げたんですら、脱帽です。そして、リスペクトです。


そして。
2年前に自分を放出したホンダのドライヴァー2人の前でフィニッシュして、ポイントゲットした琢磨。
意地を見せてくれました。
嬉しいです。あの2004年を思い出してしまいましたよ。予選でフロントロー取ったり、決勝で表彰台に上ったりして、「琢磨が1番輝いていた」2004年を。そして、鈴鹿で渾身の声援を送ったあの日の情景まで。


しかし。
あえて言います。


この1ポイントは、確かに大きい大きいものでしたけど。
「これで満足してはいけない」と思います。
8位を取ったら、次は7位。7位に入ったら、今度は6位…とどんどん「上を目指して」いかなくてはならないと思います。
今のスーパーアグリの勢いなら、それも十分可能だと思います。予選でトップ10入りだって狙えるチーム状態ですし。


でも。
今回の2007年スペインGPが、スーパーアグリチームにとって、そして我々日本人F1ファンにとって、1つの記念すべきレースになったことだけは間違いないところです。
とにかく、今後の展開が楽しみです。


余談ですが。
このグランプリ前に亜久里腸捻転で入院」というニュースを聞いたときの、我々夫婦の会話。


私:「亜久里腸捻転になったらしいよ」
妻:「へえ。フラフープのやりすぎ?」


…いや、多分亜久里家にはフラフープないと思うし。


★★フジテレビ721の解説していた今宮純さんが例によって涙声だったような気がしたのは…気のせいかなあ。人気blogランキング★★

*1:それでも、チームの作戦ミスがあったにもかかわらず、ドライヴァーのフィジケラは最後までいい走りをしていたと思います。結果として琢磨を抜くことはできなかったにせよ。

*2:言わずと知れた「1990年日本GP」です。