日本競馬に、新たな歴史を刻んだ1日

いつかはこの日が来るんだろうと思ってはいましたが。
あっさりと彼は決めてしまいましたね。
しかも、11R、12Rとポンポンと連勝決めて。


「武 豊騎手 通算勝利数の新記録達成!」(http://jra.jp/news/200707/072103.html

武 豊騎手(栗東・フリー)は12Rで11番ヒシワンスモア号に騎乗し第1着となり、JRA通算2,944勝となりました。
これは、岡部 幸雄元騎手の持つ通算2,943勝の記録を更新し、JRA史上最多勝利となります。なお、デビューから約20年4ヶ月、38歳での達成は、岡部 幸雄元騎手の約37年10ヶ月、56歳での達成を上回るスピード記録です。

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【武 豊騎手のコメント】
「今日達成できればと思っていましたが、あまり意識せずに一つ一つ大事に乗りました。(最多勝記録というのは)とても大きく重たい数字だと今噛みしめています。これまで、与えられたチャンスを確実にきっちりものにしようと騎乗してきました。たくさんいい馬に乗せてもらい、たくさんの方に応援してもらい、これまで騎乗してきたすべての馬と多くの関係者に感謝しています。この数字は通過点ですので、今後ますます自分自身を磨いて勝っていこうと思います。今日は本当にありがとうございました。」


【岡部 幸雄さんのコメント】
「武君、おめでとう。武君にとっては当然の記録であるだろうけど、JRA以外にも地方・海外と、大きな怪我もなく乗りこなしていることはさすがだと思っております。これからも競馬界の発展のために、長く記録を伸ばして勝ち星を重ねてください。本日は本当におめでとう。」

…「今年はスランプだ」と囁かれたり、アドマイヤのウマからの降板劇があったり、となかなかにたいへんそうな武豊騎手ですが。
やっぱり彼が「スペシャルな存在」であることには変わりないと思いますし、誰も異論は挟むことはできないところであると思います。


こんな記事も。


「イッキ4勝!岡部並んだ!抜いた!武豊JRA最多2944勝」(http://hochi.yomiuri.co.jp/horserace/news/20070721-OHT1T00241.htm

「記録男」がまた、歴史を塗り替えた。武豊騎手(38)=栗東・フリー=は、21日の小倉競馬12Rでヒシワンスモアに騎乗して勝ち、1987年のデビュー以来、20年4か月でJRA通算最多勝記録となる2944勝を挙げた(従来は岡部幸雄元騎手の2943勝)。この日は11Rで並び、一気に新記録を達成した。
最高の演出だった。武豊が最も目立つ最終レースでファンをヤキモキさせながら、金字塔を打ち立てた。
前人未到の2944勝まで「あと4勝」で迎えたこの日、10Rを終えて2勝。残るレースは2つだけ。しかし、華のある男は違った。11Rのトラベルシチーで堂々と逃げ切ると、12Rのヒシワンスモアは大観衆の声援に後押しされた直線で力強く差し切り、メモリアルレースとなった。
「ふだん見ない報道の方もたくさんいたので。明日になると迷惑がかかるかなと」得意のジョークが絵になる岡部氏超えの瞬間だった。「あの岡部さんの勝ち鞍を抜いたというのは本当にうれしい。とても大きく重たい数字だと思います」ウイナーズサークルで「2944」と刻印された記念の鞍を高々と掲げて大歓声に応えた。
史上最速、最年少で数々の記録を打ち立ててきた名手が名実ともに頂点に立った。「たくさんいい馬に乗せてもらって、応援してもらって。ただ、前を見て与えられたチャンスでいい仕事をしようと思って来た。一人ではここまで来られなかった」常に感謝の気持ちは忘れない男だ。「ますます自分自身を磨いていきたい。3000勝? 今年達成できればいいね」
尊敬する岡部氏の37年10か月を17年も上回るスピード記録には「時代も違うから」というが、56歳で引退した大先輩と比べれば、まだ38歳。50代の自らを想像したとき「まだまだバリバリの現役でしょう」と言うなら、進化し続けた先は想像もつかない。
野望は「凱旋門賞制覇」だ。昨年、ディープインパクトで味わった悔しさをメイショウサムソンでぶつける今秋、わずか1年で飛躍した“天才”がそこにいるはずだ。


◆武 豊(たけ・ゆたか) 1969年3月15日、京都府生まれ。38歳。JRA競馬学校3期生で、87年に武田作十郎厩舎からデビュー。新人最多勝69勝、年間最多勝212勝など数々の記録を塗り替えたほか、05年にはディープインパクトで3冠を達成した。海外でもG17勝を含む104勝をマーク。父は武邦彦(現調教師)、弟・幸四郎もJRAの騎手として活躍。95年に元アイドルの佐野量子さんと結婚。170センチ、51キロ。
◆新人年間最多勝騎手 87年に69勝。
◆重賞最多勝 245勝。G1も最多の58勝。
◆1日最多勝 02年12月7日(5回阪神3日目)に8勝。
◆最年少クラシック勝利&最年少G1勝利 19歳7か月23日で88年菊花賞V(スーパークリーク)。
◆海外重賞競走勝利 91年、セネカH(米G3)をエルセニョールで日本人初の優勝。海外G1は94年、仏ムーラン・ド・ロンシャン賞スキーパラダイスで日本人初制覇。
◆年間最多勝 05年に212勝。
◆騎乗機会最多連勝 7連勝。05年の4回阪神3日目11Rから4回阪神5日目(1、3、5、6、7、9R)まで。

…もはや「JRAの記録で武豊騎手が持っていないものはない」のではないでしょうか? いやマジで。
同日に通算1,800勝(これも現役2位、通算5位の立派な記録です)を達成した横山典弘騎手がまるで霞んでしまっていますね*1


これからは、1戦1戦ごとが「記録を塗り替える戦い」になっていく武豊騎手ではありますが。
常に高いところに理想を置いて邁進していく彼のこと。
ケガさえなければ、3,000勝、4,000勝…とドンドン突き進んで行ってくれることに違いありません。
福永祐一騎手は「このまま海外へ行って、国王のような人とビッグな年間契約を結んでもらいたい」と冗談とも本音ともつかない発言をしたようですが(笑)、まだまだ日本で彼の騎乗を見守り続けたいというのが本音ですね。
こんな騎手がリアルで活躍しているのを目の当たりにできている自分たちは、とてつもなく幸せなのかもしれません。


ところで。
武豊騎手が新記録を達成したときに騎乗していたヒシワンスモアですが。


…血統を調べていたところ。
あのヒシナタリー*2の仔であることが判明して、おったまげました*3


自分が本格的に競馬にハマって、馬券を買い始めたのが、1996年のことでした。
久しぶりに懐かしい名前を目にして、ほんのりと甘酸っぱいような気持ちになったりしました。


★★…そういや、ヒシアマゾンは元気にしているのだろうか? 人気blogランキング★★

*1:ノリ曰く「…また俺は2着か」。昨春の淀を思い出させるコメントです(笑)。

*2:1996年フラワーカップGIII)、小倉記念GIII)、ローズステークスGII)、阪神牝馬特別GII)(現.阪神牝馬ステークス)と重賞4勝を上げ、宝塚記念でも4歳(馬齢表記は当時の数え年のまま)ながら4着に健闘しています。

*3:ちなみに、父はTouch Goldとのことです。