続々・モチさんの光と影(超長文)

昨日のエントリで「いい方向に向かっていきそうで、心から安堵しました」と書いたばかりなのに…。
ネット上やmixiでは、作者のもへろんさんと、そのご両親(彼が所属しているデザイン会社の社長と専務だった!)へのバッシングが強まってきていて。
心を痛めています。


確かに。
社長であるところの父親がとあるTV番組で発言した「一発芸人みたい」「あれはひこにゃんじゃない」という発言は。
ご本人はあまり深い意味なく発言されたのかもしれませんが、さすがの私も多少不快感を覚えました。
「あんなバッサリ切り捨てちゃ、あれだけ400年祭を盛り上げようと頑張っていた生モチ(と「中の人」(笑))と実行委員会のみなさんがあんまりだ…」と。
彼らの400年祭開催期間中の頑張りが、瞬時に全否定されたような気がしてしまいました。


でも。
でも…ですね。
だからといって。
ネット上やmixiで、それに対して過剰反応をする人たちを見るのは、もっと悲しいことなのですよ。
私にとっては。


生モチさん否定されて頭に来た、その気持ち自体は分かる部分も多いのですが。
頼みますから、感情的になるのはよしましょうよ。
怒りの感情だけでは、そこからは何も生まれてはきませんよ。それこそ、行き過ぎた発言した彼の父親と同じレヴェルである…ということに気づいてください。


1番悲しかったのは。
「彼らの発言を聞いて、絵本第2作目を買う気がなくなった」というコメントを目にしたときでした。


…お願いですから。
彼の父親の発言と、もへろんさんの作品自体とは、切り分けて考えてください。
それはそれ、これはこれ。
今回の作品『よいにゃんこと どろちゃんの おはなし』も、心温まる、ほんわかしたいい仕上がりでしたよ。それを見もせで否定するのは、彼の父親が生モチさんを“全否定”する姿勢と何ら変わらないのではないですか?


著作権、著作財産権著作者人格権(同一性保持権)の問題は…。
日頃コンプライアンスを旨として働いている自分的にもちーっとばかり難しい問題のようで。
双方の言い分が割れて、弁護士の意見も異なるものを見るケースもあるようです。
いかんせん国文科出身の自分には限界のようなので、法学部出身の妻に聞こうと思ったのですが…確か妻の専門は「独占禁止法」だったとのこと。うーん…。


1つ思い出したことがあります。
往年のヒット漫画『うる星やつら』のことです。


この作品がアニメ化され、映画にもなったとき。
当時新進の演出家だった押井守さんが、その独自のワールドを展開して話題になりましたが…。
原作者の高橋留美子さんは。
正直、そのようなアニメでの独自の演出展開を、あまりお気に召していなかったようなんですね(かなり後になってそう語っていられたらしいですが)。
それでも。
見る側としては。
「原作は原作、アニメはアニメ」として、別物としてどちらも楽しんでいたように記憶しています。


今回の一連のひこにゃん一件にしても。
私が何度も言っているように、「生モチは生モチ、絵本のよいにゃんこはよいにゃんこ」として、どちらも今のままでいてほしい…と願うのは、間違っているんですかね?
法律的なモノに照らして考えると。


1番腹立たしいのは。
どちらかの存在を消してしまおうとすら思わせるような、攻撃的な言動です。
ですから、生モチさんを“全否定”した作者の父親の発言には、私も少なからず不快な気持ちがしました。
これで彦根城に行っても生モチさんに会えなくなってしまったらどうしてくれるんだ…と思います。


また。
作者をバッシングする人たちにも言いたいです。
結果、「絵本のよいにゃんこは封印、お蔵入り」ということになったとしたら…それで納得するのですか?
それで楽しいですか?
「欲の皮突っぱらかした報いだ、ケッ」と思うのですか?


私は。
そんな事態、悲しくて、迎えたくもありません。
考えたくもありません。


どうかどうか。
繰り返しになりますが、「円満な解決」を迎えてくれるよう祈るしかありません。


そのためには。
前にも言ったように、双方譲歩しなくてはならない部分があることと思います。
そこを越えて、1匹のネコの「これから」のためを考えていただければ…と思います。
どちらにも…です。


ちょうど1年前のエントリで。
初めてひこにゃんのことを紹介させていただきました(http://d.hatena.ne.jp/CasparBartholin/20061128)。
「かわいいのなんのって」…と、一目惚れに近い状態でした(笑)。


…あれから1年。
ひこにゃんは、とてつもなく大きな存在になってしまったようです。
そして、本人(本ネコ?)の意思とは関わりなく、いろんな人たちの意思の渦に巻き込まれてしまったのかもしれません。
ひこにゃんに心があったとしたら…今回の自分にまつわる騒動をどんなに悲しい気持ちで見つめてるんでしょうね?
彦根城天守閣のてっぺんで、寝ころびながら…。


1年前のように。
曇りのない気持ちで安穏とひこにゃんを見られない今の状況が、とても悲しいです。


★★ひこにゃんが「自分の手の届かない場所に行ってしまった」((C)山南敬助@『新選組!』)ような気さえしてしまいます。人気blogランキング★★