そして首は本日も痛いのですが…

さっさと日本史クイズの正解いってみたいと思います。
↓問題はこちら。

Q.『建武年間記』に掲載されている有名な「二条河原落書」、最初の2節は「此比(このごろ)都ニハヤル物 夜討強盗謀綸旨(にせりんじ)」ですが、最後の2節は何でしょう?

…正解は「京童(きょうわらんべ)ノ口スサミ 十分一(じゅうぶんのいち)ヲモラスナリ」です。
当時は濁点を打って表記する習慣がなかったようなので解説を追記しておきますと、「口スサミ」は「くちずさみ」です。また、最後の1節は、底本では「十分一モラスナリ」と「」となっているようなのですが、「ぞ」という係助詞が使われる際には「係り結びの法則」が派生して結びが連体形の「モラスナル」で完結していなくては文法的に辻褄が合わなくなってしまうので、現在では「『ソ』は、カタカナの『ヲ』の誤写である」と考えるのが主流となってきているようです。


意味は「(…とまあ、いろいろなことを書いてきたのであるが、そんなことを言う)京童の口ずさむ噂ですら、実態の十分の一を漏らし伝えているに過ぎないのである」とでもなりますか。いかに建武新政府に対して世人が批判フンプンであったか…ということがしのばれる締めくくりです。「ゴシップ好きで、かつしゃべり好きであった京童」をしても1/10しか語ることができないほどの新政に対する批判…なわけですから。


余談ですが。
この「二条河原落書」。
「ラップ調で語っても存外しっくりくる」ということに、つい先ほど気づいてしまい。
密かに驚かされました。
700年近くもの時を超えてなお21世紀に甦っても違和感ない(と個人的には思う)名文をどこの誰が書いたのかはついぞ知るところではありませんが、言葉の持つ力、そして「時勢を批評する鋭い視線」に舌を巻いた冬の夜なのでした。


★★「Hey YO! この頃都に流行るもの!」みたいなノリでしょうか。人気blogランキング★★