ずっと気になっていること。

あえてタグに「日本史(小)」を追加したうえで話を進めます。


以前、mixiでChattertonさんと語り合ったことあるネタなのですが。
最近皇室関係の報道を見るにつけ、疑問に思わずにはいられないことが1つあるのです。


例えば、↓こんな記事。
「愛子さまガッツポーズ、運動会リレーで活躍」(http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091017-OYT1T00920.htm?from=main3

皇太子ご夫妻の長女、愛子さま(7)が通われる学習院初等科(東京都新宿区)の運動会が17日、秋空の下で開かれた。
かけっこが得意な2年生の愛子さまは、1〜6年生のクラス代表による4チームの対抗リレーに出場。第3走者として2番目にバトンを受けると、100メートルを全力で走って差を縮められた。チームは後半で逆転して1着となり、愛子さまはガッツポーズで上級生らと喜ばれていた。
ご夫妻も父母席から声援を送られ、皇太子さまは愛子さまの力走をビデオで撮影。雅子さまは「おめでとうございます」という声に「無事に終わって」と笑顔で応えられた。


(写真:学習院初等科の運動会でリレーに出場。バトンを受け取る愛子さま=代表撮影)

…彼女の皇統譜上の正式なお名前は「敬宮愛子内親王」です。
ですが、なぜ彼女は「愛子さま」と呼ばれることはあっても「敬宮さま」と呼ばれることはないのでしょうか?


黒田清子さんが結婚前にまだ皇族の一員だった頃。
彼女はごくごく当たり前に「紀宮さま」と呼ばれていました。
そして、決して「清子さま」と呼ばれることはありませんでした。


なぜ「愛子さま」だけが、かくもまかり通っているのでしょうか?


自分の想像ですが。
理由はカンタンです。


「『眞子さま』『佳子さま』と同じノリでマスコミが混同しているだけ」なのだと思います。


眞子内親王佳子内親王は、秋篠宮家という「宮家」の方です。
皇統譜上の正式なお名前は「秋篠宮眞子内親王」「秋篠宮佳子内親王」です。
当たり前ですが、彼女らは「秋篠宮さま」とは呼ばれません。
秋篠宮さま」といえば、当主であられるところの文仁親王殿下を指すのが通例だからです。


一方。
天皇の子女と皇太子の子女には、誕生時に通例として「ご称号」が与えられることになっています。
「漢字1文字+宮」という号です。
これらは「貴人の本名を口にするのが恐れ多い」という江戸時代頃の思想(だから「忌み名→諱」というのです)に由来しているものなのでしょう。


明治天皇は「祐宮(さちのみや)」、大正天皇は「明宮(はるのみや)」、昭和天皇は「迪宮(みちのみや)」、今上天皇は「継宮(つぐのみや)」というご称号でした。
そして、皇太子の子として誕生した現皇太子、秋篠宮、清子さんにもそれぞれ「浩宮」「礼宮」「紀宮」というご称号が与えられました。
これらは、繰り返しになりますが「天皇、もしくは皇太子の子」限定なわけです。


ところが。
皇太子の子という「直宮」の誕生なんて、清子さん以来32年ぶりだったもんで。
愛子内親王誕生時には世間はそんな約束事なんかすっかり忘れてしまっていて。
眞子さま」「佳子さま」と同じ扱いをしてしまっている。
…というメカニズムなのではないでしょうか。


マスコミ諸氏は、早くこの誤謬に気づいて、呼称を「敬宮さま」に改めるべきだと思います。
どう考えても、真理を知らないで誤用しているとしか思えないのです。


★★何度も言いますが、自分はただの日本史マニアですよ。人気blogランキング★★