熱にうなされつつ

考えていたことを。
徒然に物したいと思います。


実は。
紫式部がキライです。
源氏物語』で卒業論文を書いた身なのですが。


紫式部より、断然清少納言派です。


世の中の評価は。
多分「紫式部清少納言」なんだと思います。


清少納言がバッシングを受けやすいのは。
枕草子』に種々残されている、いわゆる「我誉め」の章段が心証悪くしているのだと思います。
「おまえ、何様よ」的なノリで。


でも、考えてみてください。
彼女は、そりゃ自分の知識をひけらかすようなこと書き残していますが。
それで誰かを攻撃してはいません*1


他方。
紫式部は。
そんな清少納言のことを、『紫式部日記』の中でボロクソに攻撃しています。
曰く「とても得意そうな顔をしていた人」「利口ぶって漢字を書き散らしても、よく見れば十分でない点が多い」。
挙句「こういう人の最期はきっとロクなものではない」とまで言っているのです。


自分。
この『紫式部日記』の章段を読むたびに気分悪くなります。


個人的感情として、清少納言を嫌うのは自由です。
が、それを文章で残す必要あったのでしょうか?


日記ということで「他者に読まれることを想定していなかった」のかもしれませんが。
その分を差し引いても、読後感の悪さは否めません。


悪意に満ちている文章は。
たとえ自分に向けられたものでないとしても、イヤーな気分にさせられるものです。


紫式部はまた自分の日記で書いていただけだからいいかもしれませんが。
当世、ブログやtwittermixi日記やmixiボイスなどのSNSでの発言含む)などで、悪意に満ちた文章を垂れ流す人が後を絶ちません。
昔の日記と違って「他人が読むことを前提とした」文章で悪意を垂れ流すなど、言語道断であると言えるでしょう。


同じことを言う場合でも。
読み手の立場や気持ちを想定するだけで、文章は自ずとうんとマイルドなものになっていきます。
そのことを忘れるべきではないと思いました。


自分も、弊ブログで、ファイターズへの思いが溢れるあまり筆が過ぎてしまう(主に編成サイドに対して…とか)ことも少なくありません。
そんな自分のあり方も省みて、改めるべきは改めなくてはならないと思い直しました。



…うん。
たまには熱にうなされてみるのもいいかもしれません。


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*1:彼女の「我誉め」は、「自分の知識を自慢したかった」というよりは、むしろ「自分がこういうことを披露できたのは、定子さまあってのものなのだ」ということを書き残しておきたかったからなのだ…と考える学説もあります。自分も学部時代、その説に沿った形で『枕草子』を読み込んだレポートを書きました。「自分を持ち上げることで、間接的に定子のことを讃えているのだ」と。