詩なんぞ読んでみた。

結核で早世した八木重吉が、娘の桃子のことを読んだ詩を何篇か。


桃子
お父(とう)ちゃんはね
早く快(よ)くなってお前と遊びたいよ


ほんとによく晴れた朝だ
桃子は窓をあけて首をだし
桃ちゃん いい子 いい子うよ
桃ちゃん いい子 いい子うよって歌っている

桃子よ


もも子よ
おまえがぐずってしかたないとき
わたしはおまえに げんこつをくれる
だが 桃子
お父さんの命が要るときがあったら
いつでもおまえにあげる

…自分が父親になってみて。
彼の想いが、痛いほど伝わってくるようになりました。
最愛の娘を置いて逝かなければならなかった彼の無念、いかばかりだったか…。


重吉の死の10年後。
桃子は、父と同じ結核で14歳の若さで亡くなります。
子の命長からんことを…と願っていたであろう重吉の想い空しく。


暖かくなってきたとはいってもまだまだ寒い夜に。
自分の傍らに寝ている娘を見て。
この平穏な暮らしがいつまでも続きますように、そして娘のこれからの人生が穏やかでありますように…と願わずにはいられませんでした。


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