日本海つながりだったのか…。

日本史クイズの正解です。
↓問題はこちら。

Q.大岡忠相は、享保2年(1717年)2月3日、江戸南町奉行就任をきっかけに「越前守」の官職名を名乗ることになりましたが、彼が「越前守」の前に名乗っていた官職名は何でしょう?

…正解は能登守」です。


『世界大百科事典』(平凡社)の「大岡忠相」の項に、このような記述があります。

1700年に養父の遺跡1920石を継ぎ、02年書院番、04年(宝永1)徒頭、07年使番、08年目付を経て12年(正徳2)山田奉行となり、従五位下能登守となる。16年(享保1)普請奉行に転じ、17年2月3日町奉行に昇進、越前守と改める。

…この「能登守→越前守」への変更については。
Wikipediaが詳しかったです(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%B2%A1%E5%BF%A0%E7%9B%B8)。

忠相は翌享保2年(1717年江戸町奉行南町奉行)となる。松野助義の跡役で、相役の北町奉行は中山時春、中町奉行は坪内定鑑。坪内定鑑の名乗りが忠相と同じ「能登守」であったため、このときに忠相は「越前守」と改める。

…なるへそ。
能登守殿!」と呼ばわって2人が同時に「なんじゃ!」と振り向いたのではさぞやりづらいでしょうしね。


能登守」だ、「越前守」だと言っても。
当然のことですが、江戸時代においては実際にその国の国主を務めたわけではありません。
単なる官職名としての名乗りです。


大岡越前」というドラマも。
1歩間違ったら「大岡能登になっていたかと思うと…興味深いですね。


さて。
ワタクシ、好奇心だけはテンコの日本史マニアでして。
ここまで調べると「…じゃあ、先に能登守名乗っていた坪内定鑑って、何者なの?」という次の疑問にぶち当たってしまうわけなのです。


このサイトに詳しく乗っていました(http://www.geocities.jp/kimkaz_labo/tu.html)。

  • 江戸幕府町奉行
  • 旗本坪内定次の次男。1667(寛文7)年に御小姓組に属し、1673(延宝元)年、父定次の死により家督を継いだ(長兄定守は1668(寛文8)年に人を斬って逐電)。
  • 1705(宝永2)年、町奉行に任ぜられる。在職中には絵島事件を担当した。
  • 1719(享保4)年に職を辞し、1722(享保8)年に75歳で没した。

…絵島事件を担当していたとは!
しかも、映画では原田龍二が彼の役を演じたこともあるようです。ひえ。


余談ですが。
この件を調べているうちに。
当時の奉行所の位置について、よくまとめられたサイトに行き当たりましたので(http://hitosugi.hp.infoseek.co.jp/bugyousho.htm)。
ちょっと長いのですが、引用します。

南北の町奉行
慶長9年に八代洲河岸具船橋内に町方の衝(町奉行所)を設置し、南北に分けて町奉行2名を任命して月々交代で吏務を行った。これが月番と呼ばれたものである。
慶長18年、島田次兵衛利正が町奉行職につき、その後約20年間を一人で担当した。
寛永8年、堀式部少輔直之が呉服橋邸を賜給されて初めて南町奉行といい、加々爪民部少輔忠澄が常盤邸を官宅として与えられて北町奉行と呼び、この役宅を番所と称した。 
その役宅の位置によって南町奉行、北町奉行と呼ぶようになったのである。  
明暦3年、八代洲河岸の役所は火災で消失し、町奉行所は再び呉服橋内のみ単独になったが寛文2年、常盤橋内に新築して再び旧に復した。


町奉行となる
寛永8年9月以来、奉行は2人を以て定員としていたが、元禄15年8月、丹羽長守が任命された時から三奉行となり、享保4年正月、坪内定鑑が免ぜられるまで17年間続いた。
それまでの南・北に対してその役所を中番所と称し、南・北・中の三町奉行となった。中町奉行所は鍛冶橋内に新設された。


奉行所の制に戻す
宝永4年には常盤橋邸を数寄屋橋内に移したので、北番所が南番所に変わり、鍛冶橋内の南番所が中番所となり、中番所が北番所となった。亭保(ママ)2年正月に、北番所が焼失したので、これを常盤橋内の旧地に移し、同4年4月に中番所を廃して、二奉行所制に復した。
宝永4年4月数寄屋橋門内(有楽町マリオンあたり)に新設された奉行所は遠山の金さんこと刺青判宮遠山金四郎の勤務した南町奉行所である。この数寄屋橋内の南町奉行所は、幕末の幕府瓦解まで存続した。
文化3年には、常盤橋邸を更に呉服橋の旧地に移して、慶応4年(却ち明治元年)に至ったのである。

…こうして文章で読むと追いかけるのたいへんなのですが。


とりあえず。
忠相のオフィスは、現在有楽町マリオンが立っているあたりと見て、間違いないようです。


★★大岡忠相墓所は、それは静かなところですよ。人気blogランキング★★