『ホネホネロック』って歌、覚えてます?
最近読んだ面白い本。
『骨は語る 徳川将軍・大名家の人びと』(鈴木尚:東京大学出版会)
以前、この「日本史」カテゴリで「徳川家茂は31本中30本の歯が虫歯だった」というネタ紹介したことありました(http://d.hatena.ne.jp/CasparBartholin/20050720#p1)。
その事実は、そこでも書いたとおり、昭和33年から35年にかけて、戦災で荒廃した東京・芝の増上寺で徳川将軍家墓地を改葬する際、その機を利用して遺骨の調査が行われたのがきっかけでした。
で、そのときの遺骨調査の結果をまとめたのが、この本です。
「遺骨の調査」なわけですから、そりゃもう、次から次へと出てきますよ、骨の写真が。埋葬状態とか、頭蓋骨とか。心臓弱い人にはあまりお勧めできないかもしれません(笑)。
それでも、日本史の授業で学んだ人物その人の骨実物なんて、こんな機会でもなければなかなか拝むことできないわけですから。興味深く拝見しました。もちろん面白半分ではなく、敬虔な気持ちを持ちつつ。
江戸幕府の将軍は、皆火葬をせずにそのまま葬ったようです*1。しかしながら、長い年月を経た遺体は、いずれも軟部が失われて、白骨化した状態でした。
そんななか、興味深かったのは、21歳の若さで逝った家茂の髪が、実に黒々とした状態のままでほぼ完全に残っていたこと。太く立派な髷までも「ほぼ生きているときのまま」でした*2。没後約80年と時代がさほど経過していなかったのも大きな要因だったのかもしれません。
この本では、徳川将軍の正室や他の大名の遺骨もまた紹介されています。和宮とか*3、伊達政宗とか。そちらにも注目です。